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漫画

限界集落(ギリギリ)温泉

紙書籍に比べると、買いに行く手間が省けるのと、購入したあとに置き場がなくなって泣く泣く売りに行くことがなくなる、といった利点があるため、Kindleを使うようになってからは以前以上に漫画を読むようになりました。その中でも恩恵が大きいのは、低価格で購入できる機会が増え、良作に巡りあう確率が高まった点でしょうか。
この作品も一巻が100円で、妙に評判がいいので試しに購入してみたら、一箇所だけ気になる所がありました。iPadAir2で閲覧すると、写植部分が画質の悪いjpgみたいになってるのです。Kindle For PC でフルHDモニターで見ると、全然気にならないんですけれど。
iPadAir2で見た場合
気になってdpi調べてみたら、ああそりゃそうなるか、と思いました。
iPadAir2 Retinaディスプレイ
2,048×1,536 264dpi
PCモニター(RDT235WX)
1,920×1,080 95.779dpi(23インチ)
原稿を電子化するときの解像度が足りてないんでしょうね。マンガを紙で書くなら600dpiが普通らしくて、電子書籍だと72dpiでも普通に読める、といった話もあるみたいですし、このへんはいろいろ難しいらしいと聞いてるので、なんか納得しました。たぶん一巻が出た時はRetinaディスプレイみたいな解像度が出てなかったからなんでしょう。まぁ気になるんなら、見開き多用しているタイプの作品ではないので、iPad以外の端末で見れば済むことだしなぁ。
そう思ったら即座に残り全巻も購入して(それでも1200円しかかからない!)一気読みしてしまいました。画質の件があったにもかかわらず購入しちゃったくらい、先がどうなるのか気になったわけです。幸いなことに、二巻以降はdpiの問題はなくなったので結局iPadAir2で閲覧しましたけれど。
といった環境面の話はこれくらいにしておいて、どんな作品なのか、あらすじを説明します。山奥の過疎化した温泉街に、現場から逃亡したゲームデザイナー、少し落ち目のネットアイドル、その取り巻きのオタクたちが集まり、活気を取り戻していく。普段の自分がこのあらすじだけ見たら手にしないんですが、やはり100円でネット購入できるという敷居の低さが偉大でした。実際に読んでみたら面白いのなんの。
いろいろな登場人物が出てきて、主役格の「ちょんまげ」こと溝田氏がかなりかっこいい活躍をしてくれて、次は何をしてくれるんだろうかとワクワクさせられます。この人心掌握術は、『国民クイズ』のK井K一に通じるものがあるんじゃないでしょうか。
余談ですが、彼が調子がいい時の悪魔の微笑みは、なんか個人的に親近感を覚えちゃいました。昔自分が大炎上プロジェクトの火消しに行った時、成功法では何もできない現場だったので、いろいろな悪知恵で乗り切ってたんですが、その時に決まって「また悪い顔をしてる」と言われてたもので、溝田氏のイキイキとした生命力のある悪辣とした表情を見てると、自分もこんな顔してたんかなぁ、って。
悪魔の微笑み
溝田氏のインパクトもさることながら、脇を固める登場人物たちも味わい深いです。敵役として出てくる人たちも、純粋悪というわけではなく、いろいろな立場があったりするのが見えてきて、最初はヤな印象しかなかった人物も、物語が終わる頃にはそうでもなくなるあたり、実にうまい。個人的には帽子を被った神保氏のそつないフォローなども印象的でした。
このレベルの作品であっても今まで見逃してたくらいだから、面白い漫画は自分が発見できてないだけで沢山あるんだろうなぁ、と実感しました。今後もKindleで気軽にいろいろな作品を手に取り、良作を探しつづけようと思います。

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