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漫画

宇宙大帝ギンガサンダーの冒険

水上悟志氏の短編集ってことで迷わずに手にしたものの、最初の一話目を読んだ時は正直「はじめてこの人の漫画でハズレひいたのかも……?!」と失礼なことを考えたりしました。この一冊ぜんぶこんなノリだけだったらどうしよう……って。
全てを読み終えたら大変面白かったし、あとがきにて「今回は色々と新境地に挑戦してみました」とあったので、最終的にはいろいろと納得しましたが、最初の不安感はそうとうのものでした。でも買ってよかったー!
絵柄や雰囲気からするとのほほんとしてるように感じられるかもしれません。それは実際その通りなんですが、普段のほほんとしているからこそ、ここぞというところで凄みのあるものを効果的に出してこれるんじゃないかと思います。だって「宇宙大帝ギンガサンダー」なんて単語を聞いて、実はあんな話になるなんて普通思わないじゃないですか。
短編はそれぞれ独立しているので、どの話を単独に読んでも問題はないんですが、短編集で一度に作者の意図した順番で読むのが、一番楽しめる作りになってるかと思います。そして読了したら、思わずもう一回読み返したくなるような仕掛けもあって、味わい深いですね。
おそらくは『惑星のさみだれ』で水上氏の名前をご存知な方が多いと思いますが、短編集もいい味出してて面白いので、こちらも読まれてみてはいかがでしょうか。

色々とバリエーションのあるお話が掲載されてますが、ほんわかした絵柄からは想像つかない巧みな面白さ、それでいてやっぱりほんわりした暖かさ、「水上悟志節」が根底にあると思います。

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