この漫画を、今、思春期に苛まれているすべての少年少女、
かつて思春期に苛まれたすべてのかつての少年少女にささげます。
本当はもっと前に紹介したかったんですが、時期を逃してるうちに、いつのまにかこう表紙をズラリと並べて紹介してみたくなったのです。本当は完結してから並べた方が面白そうだったんですが、敢えて6巻までで並べてみました。どうです、なかなかインパクトがある表紙じゃないですか?
表紙のインパクトに劣らず、中身もかなり衝撃度が高いです。厨二病、と書くと安っぽく思われそうですが、この作品の中で描かれているのはまさにそれです。中学生という多感な時期ならではの、あの感触。
純文学的ですらありそうな雰囲気ではあるんですが、描かれているのはやはり厨二的な何かなのです。アニメやゲームなどに傾倒するか、文学作品に傾倒するか、自分の内面に傾倒するか、の違いはあっても、本質的には似た何か。纏っているものが違うだけ。多感な時期ならではの、あの落ち着かなさ。
40歳をむかえ、小さな息子もいる。そんな状況でこの作品を読んだ時、主人公の中学生たちには正直あまり共感はできませんでした。むしろ周りの親とか大人の目線で、大変そうだなぁとか、この子供達は大丈夫だろうか、という見方をしてしまいました。二十歳の頃の自分からは想像もつきませんが、(良くも悪くも)年取ったんだなぁ、とつくづく思います。
主人公達に共感できない、とは書きましたが、だからと言って嫌いというわけではなく、主人公達の気持ちになって読めないという意味合いです。もういい大人になってしまった身としては、彼らのような突飛な行動はとても出来はしません。年をとって初めてよさがわかる、みたいな味わい方ができる作品とはまた違う味わいなのかもしれません(だからと言っても、中学生の時の自分が読んで共感できただろうか、と言われると疑問ではありますが。ただ、違う感想を持った、と期待したいですが)。
主人公たちの行動を羨ましく思うというわけではないのですが、こういう形であっても鬱屈とした何かを発散しようとする姿が、何かこう、生々しいとでもいおうか、奇妙な感覚にさせられます。普通の漫画作品だと、とてもこういう心境にまで引き寄せられる事が無いと思うので、なかなか稀有な状況と思います。
おそらく7巻で完結しそうですが、どういう風に締めくくるのか、どのような表紙を持ってくるのか、見届けたいと思います。その後に、すでに手元にはあるものの封印をしていた、ボードレールの詩集にも手を出すつもりです。
漫画を読んだ影響で、詩集に手を出す。なかなか珍しい体験の最中です。
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