ハイスコアガール

押切蓮介
スクウェア・エニックス
2012-02-25

スト2が流行してたころ、1990年くらいの小学生達の交流を描く漫画で、敢えて言ってしまうとラブコメっぽいというか、ラブの手前くらい、歯がゆい交流しかできない感じでしょうか。
今あるような小奇麗なアミューズセンターではなく、小汚い風情のあるゲーセンの描写が秀逸で、当時のゲームネタがそこかしこに挟まれてる事もあるから、30代以上のゲーマーはぜひ読んでみましょう。一言でいうなら「おっさんホイホイ」です。
スト2が出たころ、自分は大学生だったので主人公達とまったく同じような思い出はないんですが、この漫画を読んでスト2という媒介を通し、当時を思い出してしまいました。近くの20円ゲーセンに毎日通い、食費を削っては対戦にあけくれる日々。プログラミング的に表現すれば、while(食費>0){対戦}な日々。食費がなくなってタマネギご飯しか食べれなくなる月末。
これ以上思い出すと辛くなってきそうなので作品に話を戻します。ラブコメと表現しただけあって、作中にはヒロインの女の子が出てきます。見た目は普通な女の子なのですが、これがなかなか個性的で、一話のラストでの初対面の主人公に対する行動を見てると、なぜか自分とまみりんの出会い（初対面で「ちり紙みたいな焼肉でもくってろ！」と言われてしまう）を思い出してしまいました。
傍からみれば「なんで？」って感じでしょうけれど、初対面でそれだけのインパクトがあったからこそ、その存在を意識するようになってしまった……（意図的に過去形）という点にシンパシーを感じてしまったのかもしれません。
公式サイトでは三話まで試し読みができるので、お暇な方はチェックしてみてはどうでしょうか。そして願わくば同年代の人間と感想を言い合って、プチ同窓会みたいな雰囲気を味わってみたいものです。