PR(記事内にアフィリエイト広告が含まれています)
スポンサーリンク
映画

頭頭

『頭頭(トウズ)』
モノとしては大きい。
包丁で切って食べる。
見た目が一番近いのはスイカ
でも海でとれる。
コンビニで真空パックでも売っている。
それは日本人の好きな食べ物。

1993年に発売された60分ほどのビデオ作品で、DVD化されていないためレンタルされてるお店を探す方が大変でしょう。先日『大日本人』を見て松本氏の過去の作品に興味を持って探したのですが、探すのに苦労しただけはありました。
一見は普通な日常生活の場面の節々に、我々の社会ではお目にかかれない頭頭(トウズ)という食材が紛れ込んでいて、それらのある生活を淡々と描いています。声に出して笑うようなタイプじゃなく、どっちかというと静かなブラックジョークみたいな作風でして、この作品に比べると『大日本人』が分かりやすく作られている、という世論の正しさを実感しました。あちらの方が要所要所で笑いを取ってくるのに対し、こっちは最後まで笑えなかったですから(面白くないという意味ではなく)。
どっちかというとこの作品をカンヌに出した方がウケたんじゃないかと思うくらい、かなり芸術家肌というか異質な存在感です。『大日本人』が初映画作品で、『頭頭』がビデオ作品という位置づけになってますが、こっちを初映画作品とした方がセールス的にはともかく批評家的には良かった気さえします。
それくらい気に入ってはいるんですが、ちょっと一般の方々にはオススメしにくい内容でもあります。最初はケーキ食べながら見てたんですが、すぐにケーキ食べるのやめちゃった、という辺りから察してください。決して直接的に気持ち悪い描写がある、ってわけでもないんですが、食事の前後の鑑賞はオススメできません。
こういった前衛サイド一歩手前の作品を撮ったあとで、『大日本人』が生まれたのかと思うと、いろいろと複雑な心境です。あれだけ有名な芸人とはいえ、『大日本人』作中の主人公は松本氏自身を投影してた節があるような気がしますし、その上で普通の作品に終わらせたくないと思って『大日本人』のラストはあんな感じになっちゃったのかな、と感じました。
それに比べると『頭頭』のラストは出色の出来だったと思いますが、分かりにくいのも確かでしょう。一緒に見てたまみりんに聞いてみたら、オチの意味が分からなかったようで、俺的にはこう思うと説明したら納得してましたが、どっちが面白いか聞いてみたら『大日本人』の方が好き、とのことでした。そういった会話もあってか、個人的には、『頭頭』が映画的で、『大日本人』がコント的な印象を受けました。
個人的には、物語をどう終わらせるか、という意味合いでも興味深く楽しめました。普通に笑える映画とかじゃなくて、一度見たら忘れられないような映画を見たい、って人にオススメな作品じゃないかと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました