毎週ポスターや配布されるポストカードのデザインが変わるらしいんですが、俺が行った初日分ではこんなんを貰えました。
ますます内容が想像できないな、と思ってたら良く見ると左下に小さく「内容と関係ありません」と書いてて納得(?)。どんな映画なのか先入観を無くすようにする試みが、こんな形でも実行されてるとは。
主人公へのインタビューという形式をとってるので、基本的に淡々とした雰囲気で進みます。人によっては眠ってしまいそうですが、俺的には独特の雰囲気の笑いと言うか、登場人物のキャラ立てがイヤな方向にリアルだったりした点とか、その辺りが気に入ったので普通に見れました。ただ、カメラワークと言うか、歩いてる時の撮影画面が上下にぶれるのは見づらいので直してほしかったです。
内容をなるべく短く表現するなら、「世間に理解されないヒーローのドキュメンタリー形式のコメディ」でいいんでしょうか。事前にジャンル分け不可能と聞いてたので、そこまでないかなという気はしました。とは言えどんな映画でもこの程度にはジャンルわけできるわけで、実際の作品の個性という点で言えばこんな説明じゃ表現しきれないものがあったのも事実です。説明はいちおうできる、でもそれが正確に伝えられるかと言うと厳しい。あの独特の味や雰囲気は実際に見てもらって判断してもらうしかないでしょう。
劇中に出てくるクリーチャーのデザインが、かなりグロテスクなのが印象に残りました。なかなか類を見ない造形でして、このデザインを通した時点で、実は一般向けの作品であろうとすることをやめてたんじゃないかと思ったくらいです。無謀にも敢えて例えるなら、サイレントヒルのクリーチャーが下品になった感じでしょうか。良い意味でも悪い意味でも忘れがたいものがあります。
全体的に楽しく見れてたんですが、賛否両論のラストが受け付けられませんでした。コントとして見るのならアレで別にいいんですけれど、映画として見るとどうなんだろう、アレは。全然違うかもしれませんが、赤いのは北朝鮮の生物兵器で、戦隊はアメリカ軍ということなんでしょうか。で、日本が倒せない北朝鮮をアメリカが倒す、と。実写シーンの情けない赤いのが実際の姿で、今まで見てきたのはCG化されて主人公の脳ではこう見えてた、というオチなのでしょうか。
もしそういうことを表現するためにああしたのであれば、今までのドキュメンタリータッチが台無しと思うんです。猫が大きくなったり、直前で髪を切ってたけど巨大化して反映されてないのも、納得できると言えば納得できるんですが、それって夢オチなみに卑怯じゃない?って。それにメタ構造で驚かそうとするのは、21世紀にもなった今としてはあまりにも今更的というか、既存の文法的なものでしかない上に、それが効果的だったとは言いにくかったのも確かです。
お爺さんと一緒に赤いのを倒して、苦いヒーローだけど明日もがんばってこうみたいなベタなオチにはしたくなくて、敢えてああしたのかもしれません。しかしあんな形で終わらせるくらいだったら、そこだけベタで普通にしても、今までのタッチが独特だったので十分におつりが来たと思います。ベタに終わらせつつ、ラストシーンでちょっとギャグ入れて、この作品らしく終わらせる、くらいの展開でも良かったのではないかと。観客を裏切った終わり方にしたくてああしたのかもしれませんが、悪い意味で裏切ったようにしか見えません。
そういうわけで、監督がどういう狙いで何をしたかったのか、というのが良く分かりませんでした。大ヒットさせたいのであれば、一般的にすべきところは一般的に終わらせておくのが無難でしょう。逆に、世間ではあまり受け入れられなくても、分かってくれる人には分かってもらえるようにするには、中途半端な印象を受けました。
週刊プレイボーイ上でのインタビューにて、「笑いのランクでいえば、5段階の2くらい。あえて分かりやすくしている」とあったので、一般向けを狙ったのではなかろうかと推測するんですが、だったらラストをああしたのは逆効果でしかなかったのでは、と思うのです。
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