カオス

煽り文句が堂々としすぎてると肩透かしだったり、煽り文句自体がネタばれスレスレだったり、ということは良くあると思うんですが、この作品も煽り文句で損してる感じがしますね（この場合、前者だけの意味でですが）。逆に言えば、煽り文句を一切知らずに見れば、普通に楽しめるクライムアクション映画として見れそうです。
邦題にもなってるカオス理論が話の端々に出てくるんですが、あんま本筋に関係ないので扱いがちょっとどうかと思いました。というかカオス理論の説明自体が何か間違ってる気がして、それがストーリーにからむのかと思ったら全然そんなこともなく、なんか肩透かしでした。カオスというタイトルに対し、完全に内容が負けてますね。もっと別の邦題付けてくれればいいのに。
とは言え、普通に見てる分には適度にテンポよく展開が変わってくので、見てて退屈はしなかったです。途中で重要な黒人の人物が意外なシーンで出現するところなどは見てておおっと思いましたし。
良作とは言えないけれど、佳作くらいの印象でしょうか。それなりに面白く見れたけれど、でも、といった感じ。本当の意味で予測不能なストーリーというのは、これだけ色々なストーリーが溢れてる今となってはかなり難しいものだな、と思うのでした。