3年B組金八先生伝説の教壇に立て！完全版

以前発売されたバージョン（感想）に二話追加されて3000円弱、ということで未プレイでアドベンチャー好きな方なら手に取ることをオススメします。かなりコストパフォーマンスがいいですし、金八先生とはあまり関係のない学園ドラマなのでそのあたり気にしてて手を出してないならもったいないですよ。
なお、セブンイレブンの先行発売ということで、一般発売は10月以降になるらしいです（追記：9月26日に決定しました）。それにしても「購入者の96％が感動！」ってあおり文句はどうなんだろうか。
前作をプレイ済の方向けに解説すると、若干演出が変わってる部分があったり、才能開花カードの入手が変わってるところがあったり、といった感じでシステム的には大幅な変化はないです。残念だったのがソフトリセットの不在と卒業式をスキップできないのが相変わらず、といった点くらいでしょうか。あと前作のセーブデータの互換性が全くないため、一から再プレイするためスキップなどができないのも残念でした。俺はこの点については前作未プレイのまみりんに一通りプレイしてもらって、そのあとでセーブデータをコピーして新規の二話をプレイしたので問題ありませんでしたが。
何はともあれ、前作体験者で気になるのは追加された二話の内容でしょう。量的な意味でいえば、どちらも一時間くらいの分量ですね。ストーリー的な事に関しては、前作をプレイしていて近作はプレイしてない人むけに感想を書いてみます。早い話が前作のネタばれが少しあるんで、未プレイの人は見ない方がいいってことです。

追加ストーリー1:社会科教師の異常な愛情
コミカルな内容で難易度も低く、軽い気持ちで楽しめて一時間ほどのボリュームがあるので、悪くない感じです。なんでこれが前作でボツになったのかと言えば、やってることがモロ犯罪だからなのは間違いないでしょう。この後も何食わぬ顔で神崎先生が赴任してるかと思うと、その事実の方が恐ろしい気が。俺もこの先、まみりんは死んだとか言ってるかもしれないなぁ、としみじみ思いました。
これがボツになったので神崎先生が他のシナリオに絡みにくくなったかな、ていうのは分かった気がします。強烈に気に入った、というほどではないですが楽しめました。
追加ストーリー2:人にやさしく
マニュアルには全てのシナリオクリアで見れるとありますが、誤表記なので要注意。実際は「人にやさしく」と「大人たちの長い夜」以外の全てのイベントカードの入手をしたあと、三話終了時に出現します。
内容ですが、こちらも一時間ほどで終了するものの、突然ゲームオーバーになるので難易度が高めですね。また、タイトルからは想像もつかないくらいの問題作で、かなり考えさせられる代物です。人によっては拒否反応を起こすかもしれません。
今回まみりんに一通りプレイしてもらった時の話ですが、八話目までは満足してプレイしていたものの、最終話の九・十話を見たらなんか嫌そうな顔をしてました。
「今まで人情ものの爽やか話ばかりだったのに、なんでいきなりこんなドロドロした話が出てくるの？　みんなおかしくなってくし、見てらんないよ！　今までのほんわかさが台無しだー！」
まみりん、魂の叫び
画像はイメージです
それを見て俺は、人によってはこの話は受けが悪いかもなぁ、と思って他人事のように見てましたが、この「人にやさしく」をプレイしてまみりんの気持ちが良く分かりました。
かなりショッキングな内容で、何人かの生徒に対する印象がかなり悪くなってしまいます。時系列的に見ればこのあとに色々和解したり成長したりするわけなんですが、プレイヤー視点からすると、これをほぼ最後にプレイしてしまうあたり、どうにかならなかったかな、とも感じました。前作で映画の話の時にチビ太君がヤな顔してるなぁとか思ってましたが、あんな顔して無理もないって思いましたよ、ホント。プレイしてる最中はまさにこんな感じでした。
嶽花、魂の叫び
画像はイメージです
とは言え、純粋にシナリオの出来としてみると素晴らしいです。なんだかんだ言って、俺は毒のある話が大好きですし。中村光一氏が一番気に入ってると言うのも納得しました。
これがなんでボツになったかと言うと、いじめを扱ってる場合は無条件にCEROで15禁になってしまうから、なくなくボツにしたということだそうです。個人的には15歳以下の子供たちにプレイしてもらった方が情操教育になるのではないかと思うんですけどね、お役所仕事なんかに期待してもしょうがないかな。
といった感じですけど、いかがなものでしょうか。俺個人としては大変満足しましたが、プレイ済の方にとってはこの二話のためにもう一度購入する、ってのは微妙な線かもしれません。金八先生という作品に対する思い入れ、そしてチュンソフトに対する思い入れで購入するかどうかを考えてみてはどうでしょうか。