みんなのいえ

あのジェットコースターコメディとでも形容したい『ラヂオの時間』の三谷幸喜監督の次回作。そういう先入観で挑んだのですが、こちらが勝手に期待というか想像していたのとは違っていましたが、三谷監督らしく、全体的に完成度が高い作りかと思います。
ラヂオが先がどうなるか分からずハラハラして見る作りとすれば、みんなのいえはしっかりした構成と役者の演技とで見せる作りではないかなぁ、と。ガハハハハではなく、クスッって感じかなぁ、と。全世代に安心して送り出せるのは後者なのかなぁ、と。でも三谷監督にはもっと冒険してもらいたい気もするなぁ、と。三谷監督ならでは、三谷監督でなくては、というのを期待してみたいなぁ、と。
とはいえ、実際には十分楽しんで見れました。意外なところに意外な豪華メンバーが出演していたりして、ニヤリとしてしまいます。たまたま先日『D坂の殺人事件』で真田広之氏を見ていたせいで、画面に出ただけでおかしくておかしくて。映画を沢山見て役者を沢山知ってる人はこういう楽しみ方をするのかなぁ、と思いました。
作中で何度か出てくる職人とアーティストの立場の話には、いろいろと考えさせられるものがありました。そのへんのバランスのとり加減の難しさはプロになれば色々出てくるのでしょうね。それはもういろいろと苦労してそうだなぁ。
自分が家を建てる時もこんなことが大あれ小あれ起こるのかなぁと心配になってしまいましたが、そんな先の心配してもしょうがないなと思いました。妻にトトロのテーマで「む・しょく、む・しょく」と歌われる身でありますし。