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PSVita

ネットハイ

知人が「ゼノブレイド級」と紹介してたので事前情報をまるで知らずに購入したんですが、これは確かに面白かったです。ゼノブレイドとはゲームの方向性やプレイ時間などがもちろん異なるんですが、心を揺さぶられた度合いで言えば、たしかにこれはゼノブレイド級と言っても差し支えないインパクトでした。
ストーリーも面白いし、声優さん達の熱演も見事で「素晴らしい! エクセレント! あめいじぇんしー!」という言葉しか出てきません。
でもそのわりには売上的に振るわなかったみたいですね。公式サイトの紹介文はこんな感じなんですが、これだけ読んで買おうと思う人は少数派じゃないでしょうか。
今、ひとりのオトコが立ち上がる!
リア充たちの嘘を暴くために!
『ネットハイ』は、地位や名誉を欲しいままに迷惑行為と事実隠蔽を繰り返す
リア充たちの“嘘”を暴いていくアドベンチャーゲーム。
ウワサ話やタレコミ情報を集めたら“討論バトル”で直接対決。
“真実の姿”を晒して、世に蔓延るリア充たちに怒りの鉄槌を下せ!!
「リア充」「爆発」「炎上」「つぶやき」「動画配信」・・・
推理系アドベンチャーゲームにインターネット特有の特徴や機能を盛り込んだ本作は、
SNS世代にマッチした新たなプレイ感覚を提供する。
さぁ、立ち上がれ!! 我が同志たちよ!!

これを読むと、なんだか汚いやり方で他人を引きずり落とすような、ネガティブで陰湿な内容じゃないかと思ってしまいがちですが、実際に遊んでみると事前の印象とは真逆で、かなりアツくて前向きで、読後感が極めて良い名作アドベンチャーゲームでした。紹介や宣伝が難しい代物だと思うんですが、販促は成功したとは言えないかもしれないですね。これはもったいない……
かなり面白かったんで、PS VITA持ってて、アドベンチャー好きなら絶対に遊ぶべき!と言いたいところなんですが、幾つか人を選ぶ点があるのも事実なので、手放しに勧められるかというとどうでしょうかね。
一章が少しテンポが悪い気がします。とはいえチュートリアルを兼ねているため、そこは仕方がないかもしれません。自分は一章をやったあとしばらく時間を置いてから遊んだんですが、遊ぶなら一気に遊んだ方がいいと思います。一章も面白いことは面白いんですが、二章目以降からさらに物語が加速していくので、一章だけで判断しない方がいいです。
逆転裁判みたいにかなり頭を使って選択肢を選ぶ必要もなく、かなり難易度は低いので緊張感や達成感を求めてる方には合わないかもしれません。クリアまで15時間前後くらいなので、逆に言えば面白いアニメ一期分を見終えるような感覚で遊べるんじゃないかと思います。気軽に面白いストーリーを楽しみたい、ということであれば問題ないかと。
一番人を選びそうなのが、SNS世代向けのノリですね。ハマる人にはハマるけど、苦手な人はちょっとムリかもしれません。個人的には『シュタインズゲート』や『ひぐらしのなく頃に』の冒頭に比べたら全然辛くなかったですね。とはいえネット的な題材ゆえに、鮮度が高いうちに遊ぶのが良いと思います。自分的には今遊んでもまだ古びてないと感じていますが。
そういった事情があるので、まずは事前に体験版を試してみて、雰囲気があうようでしたら購入してみてはどうでしょうか。5/18(木)の23:59までなら半額の2,650円になってるので、面白そうと思ったらこの記事をこれ以上読まずに購入しちゃうのも手でしょう。
ネットハイ
ネットハイ | 公式PlayStation®Store 日本

なお残念ながらたまにフリーズしてしまうので、ある程度こまめにセーブしておくことをオススメしておきます。とはいえストーリーの節間に都度都度セーブ確認がはいるので、そこまで酷いことにはならないとは思いますが。
ここから先はひとまず、ぎりぎりネタバレにならないかなー、という程度に感想を書いてみます(後半ネタバレ感想になりますが、事前にネタバレ開始と書きます)。

主人公がかっこいいですね。いわゆる非リアではあるんですが、変に自分を美化したりしない、等身大のヒーローといった感じなんですよね。強敵を打ち破ってかなりのランクに達したというのに、相変わらずコンビニで今までどおり働いてるところとか、全然悪びれて調子に乗ってないあたり、逆にかっこいいと感じました。
このゲームの手法として、わざと相手を煽ったり、炎上させたりする必要があるんですが、主人公自身は最初から最後まで一貫して、そういう行為には否定的なんですよね。とある女の子を救うため、仕方なくやってるって感じ。
とはいえ相棒のナビ子*1はすっげー楽しそうに炎上させるのを待ってるのが、なんか可愛らしいですけれど。
よく燃えそうなネタ
主人公の対戦相手はリア充とは言いつつも、実はみな何らかの事情をかかえ苦しんでいて、主人公はそこに切り込んでいって真実を暴いていき、結果的に救っているんですよね。
公式では「怒りの鉄槌を下せ」とありますが、実際は相手の気持ちを汲み取って、決して全否定はしない。「リア充よ、爆発しろ!」と言いながらも、実際は心のわだかまりを取り去っているので、主人公は実は現代的なキリストなのでは……
とはいえ、まぁキリストはこんな顔したり、こんなこと言われたりはしないので、やっぱり気のせいでした。
よく燃えそうなネタ
ねつ造
主人公の相棒のナビ子が実に可愛らしいです。見た目的というよりも、セリフの言い回しなどがほんと活き活きしてて、AIの筈なのに生命感を感じるくらいです。実に人間くさくていい。ここまで主人公をディスるヒロインが今まで居たでしょうか。
チョロ助
エロ親父
甲斐性なし
引きこもり
バカバカバカ
本当にクズ
同じレベルです
おおバカもの
さんをつけろ
最初は罵倒っぷりに圧倒されるかもしれませんが、クリアする頃になると「んまっ!」というセリフが愛おしくなってるんじゃないかと思います。
音楽がいいですね。盛り上げるべき時に名曲の数々が気持ちを押し上げてきてくれます。あまりにもかっこいい曲揃いなので、BGMモードがあるにも関わらず、Amazonでデジタル版のサントラ購入しちゃったくらいです。
特に「俺の時代が来た」「燃料は投下された」「巨大な壁」あたりがお気に入りで、ヘビーローテしてます。かっこよさの中にも寂しい雰囲気があったりして、聞いてると元気が出てきますね。出勤時のおともです。
かなり完成度の高いサントラなんですが、一点だけ注意があります。「笑う影には非リアあり」という曲なんですが、諸事情につきゲーム版と全く違う曲が入ってます。この点については連絡先があるので、こちらにメールを出せば音源データを貰えるようです。時間が少しかかるらしいので、ご注意を。
あとデジタル版だと、当然のようにブックレットがついてないので、対談秘話とかが読めません。とはいえデジタル版だと、AmazonMusicのPCソフトをインストールして、簡単にiTunesへエクスポートして取り込むことも可能ので、デジタル版も利便性はかなり高いんですよね。このあたりを考慮して、どちらを買うか検討してみてはいかがでしょうか。
パロディなどが実に多いです。たぶん全部の元ネタを把握できてる人はあんまり居ないのでは、というくらいの膨大さです。明らかになんか元ネタがありそう、って画像で分からなくて悔しくなってしまいましたので、そのうちネットハイ元ネタ集みたいな記事を書いて、皆さんに質問を投げかけようかと思ってるくらい、ほんと沢山あります。
シリアスな場面でも、要所要所でバロディネタが差し込まれてくるので、かなり笑ってしまいます。『カエルがために鐘はなる』もラスボスでかなり笑わされましたが、本作もそれに劣らないくらい色々なネタを詰め込んできてくれて、緊張するやら笑えるやら泣けるやら、なんか凄いことになってました。
初見で出会ったほうが破壊力が大きいので、具体的な画像は後述するネタバレ感想内でちょこちょこ出してこうと思いますが、これなら大丈夫かなー、と思ったものをあげてみます。非リア充のアツい主張をごらんあれ。
オタクのフリ
理解があるんだなんて態度のヤロウ
嫁は増えるもの
何も悪くない
彼女いない歴=年齢
どんと来い
それはそれ
といったところで、内容に踏み込んだネタバレ感想を書きます。色々画像もあるので、未プレイの方はご注意ください。

変わったディストピアものということで、個人的には漫画『国民クイズ』をちょっと連想してしまいました。方向性や読後感は全く違うのですが、作品にこもっている熱量などがそう思わせるのでしょうか。とはいえ両方の作品を鑑賞してる人がこの世に何人いるか分からないので、誰にも理解してもらえない気が……
何はともあれ、本当にアツくてクリア後に心に残るゲームかと思います。クリアしてしまって、実に寂しい気分になってしまいました。
あまり知られていないのが残念ですが、アドベンチャーゲーム好きな人々の中では後々語り継がれる名作かと思います。未プレイの方は、ネタの鮮度が高いうちに遊んでみてはいかがでしょうか。

  • 注1 : よほどのことがない限りシルとは呼ばない、という主人公のスタンスに習い、あえて当記事でもナビ子呼ばわりします。

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