デジャヴ

ネタばれの境界ってのはそれなりに論議にあがったりするところだと思うんですが、個人的にはSFって書くのすら戸惑ってるくらいですってのに、この作品に対してタイムトラベルものって書いてる人々が多くてビックリしました。それ言ったら導入部分の不可思議な部分が謎の欠片も無くなって台無しじゃね？って思うんですけど。
まぁそれはそれとして、この作品は大変面白かったです。過去に光とか情報だけで影響を与える設定だったら個人的に好みなんですが、物質をワームホールで通せるってのは正直無茶じゃね？って思ったりしたものの、このシナリオのためにああしたんだな、と今では納得しています。常に4日前の世界なので何度も過去に戻れない、という設定もこのためなのか、と。
最初見終わった直後は「どの変がデジャヴなんだ？」って思ったんですが、そのあと少しずつ思い直してみると、敢えて考えに考えた上でデジャヴというタイトルにしたのではないか、と考えるに至ってきました。なつかない猫、ワニ、死体から鳴る携帯、泣く犯人、そして「二度目か？」というセリフ。これらから想像するに、おそらくは作品内で敢えて描かれていないシーンがあるのではないか、と。矛盾と思っていたことが実は意味を持ってくるのではないか、と。もしそうだとすると、最後のセリフも重要な意味を持ってくるような気がするのです。