闘劇予選日記 その5

カタンを初めてプレイしたのは、そう、はじめさんが前回福岡に来られた時でした。あのときは俺、モコっち、おのださん、はじめさん、というメンツでした。カタンのボード版を第三回九州大会にあわせて思い切って購入したものの、広げる場所すら無くて断念したのもいい思い出です。というか思い出にならなかった。そんなわけで、この4人で初めてのプレイなわけです。
全くルールを把握していなかったので、結構プレイ回数をこなしていると言うはじめさんの説明を真剣に聞く俺とモコ、そして聞いてるのかどうか良く分からないおのださん。おのださんはこのゲームの勝利条件を把握してるのだろうか……と思いつつ、ゲーム開始。
最初は、このゲームの基本的な戦法、道を作って村を作って町を作る、というセオリーを学びつつプレイしていたら、あと数ポイントと言うところで独占カードを使われて、思わぬところからポイントをゲットされてはじめさんの勝利。
2回目は、前回分かってなかった土と木の重要さをかみしめたので、まずは土と木だよね、と思ってプレイする俺とモコをあざ笑うかのように、はじめさんがほとんど道を作らず近代化だけで勝利。おのださんは無意味なまでに道を長く長く作っていました。「おのださん、道を長くしてもそれ以上ポイントはつかないですよ」「ええ、とにかく道を長くしたいんです」
3回目あたりになって、いい加減このゲームのセオリーが分かってきました。あとおのださんが勝利に全く囚われてないのも分かってきました。今度こそ俺かモコで勝ってみせる!(おのださんは、まぁいいじゃないですか)といきこんだものの、今度は特殊カードでポイントを稼いだりしてまたもやはじめさんの勝利。
3回プレイして、3回とも違った勝ち方をして我々に余裕を見せ付けるはじめさんの前で、俺とモコは無言で顔を突き合わせて誓いました。次回はじめさんが来られた時までに修行して、絶対に勝ってやろうと。そしてそのあとカタンをウラヤス君に貸してたら暫く戻ってこなくて修行どころじゃなくなったりしつつ、今に至ります。早い話がカタン殆どしてません。
で、今は俺とはじめさん、OJAさんとムナカタさんの4人で盤を囲んでいます。OJAさんとムナカタさんは初めてなので、はじめさんがルールを説明しながらのプレイです。これはかつての俺らの光景を思い出させます。
勝ちたい、しかし最初に初心者を騙してプレイしてもらえなくなったら困る。というわけで割と戦法をいろいろ具体的に教えながら俺はプレイしてました。ここでこのカードを使うと、こういう可能性が出てくるわけですね、とか話しながら自分の手の内をさらけ出しながらのプレイです。その割にはサイコロ運と配置と初心者二人という条件に恵まれたのか、一位街道まっしぐらでした。俺が7点の時点で、はじめさんが2点のまま、他の二人はまだ3点ずつ、といった状況です。サード風に言えば、ホウヨク2本たまってて、相手のゲージが3割以下、てな心境です。
さすがに今回は勝てそうかな、と思っていたらはじめさん独特の話術マジックが始まりました。「こういう時は一位の人を徹底してマークして妨害しないと、勝たれちゃうからダメですよ」とか「このゲームは一位かそれ以外しかないから、負けたらそれまでですよ。闘劇予選みたいなものですね。つまり準優勝のOJAさんらと予選敗退の僕たちは、闘劇本選に出場できないという点で同列なんです」とかそんなことをお話しつつ、二人に交渉を持ちかけて有利なカードを入手したり、俺にカードを徹底的に回さない環境作りに精を出したり、交渉を複数の人が持ちかけてきたら自分のカードを相手に投げつけてて交換させたり、と暗黒パワー炸裂です。
なんだかどっかで見たような風景だよなぁ……と思いつつあと1ポイントで俺の勝利という場面で、あと4ポイントはあるように見せかけていたはじめさんが1ターンで次々カードを駆使し、インチキくさい方法で一気に4ポイントゲットして唐突に勝利、ゲーム終了、そしてあきれ返ってるOJAさんとムナカタさん。「だからあれだけはじめさんの言うことを信じたらダメって言ったのに……」と俺がこぼしてももう遅い。二人の純真さを利用するだけ利用して、自分の手の内は最後まであかさずにまたもや勝ちにきました、この男。
OJAさんらが悔しがってもう一度しましょう、という事になって再プレイ。今度はOJAさんらも騙されません。一番ヤばいのが誰かもうわかってもらえたようです。はじめさんがカード交換のためにカード投げつけてきても、「いえ、僕は交渉したい人としかしませんので」と冷静にすっとカードをはじめさんに戻すあたりがクールすぎました。地域の絆が壊れる有様を目の当たりにしつつ、サイコロ運とカード運に恵まれて、今度は俺が勝てました。しかしこの時ははじめさんがうつらうつらと船をこぎ始めていたので、あまり実質的な勝利とは言いがたいのでした。
眠ってるはじめさんを横目に、決意を秘めた俺は携帯電話を取り出しました。ピッポッパ。
「うん、やはり君らの出番が必要みたいだ……」
寝てるのに、エロマンガという単語が会話に出ただけでビクッと反応させるはじめさんを尻目に、俺は最終プランを電話の向こうの相手に提案するのでした。
※もう少し続きます。もちろんサード対戦の話なんて今後もありませんよ?

コメント

  1. OJA より:

    嶽花さんが初めてカタンをやったときからはじめさんは黒かったんですね。
    ちくしょー、何だか今頃になってさらに悔しくなってきたぞ。
    今後さらなる犠牲者を出さないために僕からも言っておきます。
    巨乳好きのいぶき使いには要注意、見た目にだまされるな!
    ただ、このあいだ鳥取に行ったのですが、その日に集まってくださった方々を
    ふおさんが一人ずつ紹介されているときに、
    「彼は一見普通でいい人っぽく見えるけど中身は黒いです」と言うので、
    「岡山のはじめさんと同じように考えればいいんですね」と答えたら、
    「はじめさんが黒いのは見た目通りじゃないですか」と言う人もいました。
    世の中には一目で見抜ける眼力を持った人もいるみたいです。

  2. 嶽花 より:

    サイトだけ見たら、一般的には俺の方が真っ黒と言われてるみたいですが、カタンを一緒にしてもらえればみんな分かってくれるかと。でも世の中にはカタンをしなくても心眼で見分ける達人もいるみたいで完敗ですね。やっぱり砂丘があるだけのことはありますね(意味不明)。

タイトルとURLをコピーしました