その昔ひっそりと出版され、予想通り初版だけで増刷もなかったというのに、なぜか最近ひっそりと復刊されてて驚きました。絵柄といい、内容といい、とても万人向けとはいえた代物ではないのですし、実際に周りに薦めたが殆どの人間にはあわなかったこともあるんですが、個人的にはかなり強烈な印象が残ってる作品です。
かなり救いのない展開、神にならんとする猿王の毒々しいまでの禍々しさ、そしてインドという土地の持つ独特な宗教観・空気感が混濁とした様相をなし、他ではなかなか見られない雰囲気になっていると思います。
日本人の作家が描かれた作品だというのに、なぜかアフリカ圏の作家の書いた某小説のことを思い浮かべてしまいました。善とか悪とかといった二律背反的なところを超えた、達観した世界観の仕業でしょうか。とにかく不思議な存在感があるのだけは確かです。
コメント
仲能健児っつーと、ビームで連載していた「ロンリネス」が良かったナァとか。
簡単に説明しますと、宇宙人とニート青年の全く持ってココロ暖まらない交流なお話。
あと、どーでもいー話「猿王」ってタイトルで寺田克也のんを真っ先に思いつく罠。
鼻水流してた宇宙人がいい味出てましたよね。
Googleで「猿王」で検索すると必ず寺田克也氏のがトップに出てくるので、世間は正直だよな、と思います。