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映画

船を編む

見た目も地味だったので完全にノーマークだったのですが、原作小説は本屋大賞受賞作であり、映画自体も海外で絶賛、と聞き及んで予備知識なしに手にしてみましたが、実にいい日本映画でした。辞書を作るという地味な話なんですが、モノを作るという静かな情熱が根底にあり、魅力的な登場人物どうしの掛け合いなどがいい感じなのです。
同じ役者さんでもこんなにイメージが違うものなのか、と不器用な主人公役の方には驚かされました。『探偵はBARにいる』シリーズの飄々とした相棒役と同じ人なのか、と思うくらいにオドオドとして生真面目な態度だったので、実に演技がうまいのだな、と感心いたしました。
年配の役者さんたちもいい味だしてて、自分も将来はこんな風に年をとれたらいいのに、と思うくらいに人生の年輪が刻まれていて、言葉の端々に性格がにじみ出てくるあたり、日本映画ならではだな、と思います。
全然お笑いの要素には期待してなかったのですが(というか笑える映画だとは思ってもなかった)、意外や意外、何度もくすりとさせられました。ガハハと大声で笑うような感じではなく、なんだか微笑ましくて表情が崩れてしまう感じですね。
微笑ましいといえば、猫が可愛らしかったですね。大きな猫なんですけど、仕草だけであれだけ可愛らしくみせてくれるのもいいし、主人公の優しさが伝わるような猫に対する手つきが印象的でした。
自分の家の本棚は常に一杯一杯なので、そろそろ電子書籍リーダー買って、少しずつ紙の本を減らしていかないと、と思っている最中だというのに、やはり紙をめくるのは理屈抜きに愛おしい、と実感させられました。めくるときの滑りに拘るシーンや、共同作業を進めていくうちにメンバーの結びつきが濃くなっていくあたり、やはり紙の本も捨てきれない。『大渡海』が本当に売ってたら、紙媒体でぜひ買いたい!
派手さはないんだけど、しっかりとした演技で何気ないシーンを丹念に描いていく様がとても心地よくて、ずっとずっと見ていたいと思わせてくれるものがあり、映画を見終えてしまうのが寂しい、と思った瞬間にこの世界に没頭していたんだなと気付き、実にいい日本映画だったなぁ、と溜息をつくのでした。

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