いよいよ Wii の発売も一週間をきった今日この頃、待ちきれずに Wii TVリモコンのボタンを無意味に押して、その操作感の心地よさにうっとりしたりしています。そうです、なんか忙しくて書きそびれてましたが、クラブニンテンドーのプラチナ会員特典の Wii TVリモコン、ずいぶん前にちゃんと届いてました。
「ダーリン、また通販で変なもの買ったの?」
「買ったんじゃなくて、クラブニンテンドーから届いたんだって」
「なんですって! わたしに断りもなくポイント交換したの?! どうぶつの森トランプをくれるって言ったじゃない!」
「んなこと一言も言ってねー。つーか、これポイント不要で貰えるグッズだってば」
「えー、全員手に入るの? なんで私の分はないの?」
「ポイントがある程度たまった会員じゃないとダメなの」
「えー、なにそれー」
「ま、俺はプラチナ会員だから、もらえたってこと」
「ふーん」
「今度から俺のことはプラチナ会員様と呼んでよね」
返事の代わりにまみりんは鼻で笑い、おざなりにリモコンを握ったらすぐ飽きて自室へ戻っていきました。物の価値が分からない人ってよくいますよね。
するとタイミングよく、大分のキタコーさんから電話がかかってきました。なんでも明日はニンテンドーDSの大会があるので行ってみないか、というお誘いです。ついでにストIIIの大会もあるみたいですが、そっちはさておきDSの対戦に飢えてた俺は即OKと返事し、せっかくなのでDSだけじゃなくて Wii リモコンを持ってくことにしました。
そう、この時はあんなことになるとは思ってなかったのです……
大会当日。DS大会はストIII大会が終わるまで始められないということだったので、早めに会場のゲーセンに行ってもひまかなぁ、と思ってキタコーさんと合流することにしました。ビックカメラに居ますと言われたので一号館のゲーム売り場を探しに行ってしまいましたが、キタコーさんはキーボード売り場の前にはりついてました。ほっとけば一日中ここに居るのかな、という気がします。
キタコーさんと一緒にクズ男さんという方がご一緒されてましたので、一緒に街をうろつくことにしました。街をうろつくと言っても、我々オタクですので行くのはゲーセンかゲーム売り場くらいのものです。キタコーさんが見たことがないと言うので、まんだらけに行ってみました。レアソフトがたくさん売られてるんですが、エイリアンソルジャーのサントラCDに四万円以上の値がついててビックリしたり、キタコーさん達がシルバーガンは知っててもガンスターヒーローズを知らなかったりしてビックリしたりしました。
そんなこんなで歩きつかれて喉も渇いてきたので、ジュースの自販機でも探そうかとしたとき、クズ男さんが穏やかな笑みと共に提案をしてこられたのです。
「この近くに自分が会員の店があるんで、そこでお茶でも飲んで休憩しませんか?」
この時点で気付くべきだったのです、喫茶店で会員制って怪しいだろ、と。しかしまだクズ男さんとは初対面でしたし、自然と言われたので付き合いのある筈のキタコーさんも特に異論はなく付いて行くことになったのでした。
「着きました。ここのビルの四階です」
え、これって……メイド喫茶じゃ?!
「会員証を持ってると、ポイントがつくんですよ!」
嬉々として会員証をメイド喫茶の看板の前で見せてくるクズ男さん、それを妙に無表情に見つめるキタコーさん、なんとかこの場をフォローしないとまずいと思う俺。
「……ポ、ポイントがつくと、なんかお得なんですか?」
「ポイントがたまると、ランクが上がるんですよ!」
キタコーさんの視線が一層シビアな色合いになってきました。ま、まずい……
「……ラ、ランクって何ですか?」
「ランクが上がると、メイドさんと一緒に写真を撮ってもらえたり、サービスが増えるんですよ!」
聞くんじゃなかった。
さて、どうしようか。キタコーさんは本気で嫌がってます。俺もあんまり入りたくないです。しかし、一度くらいなら中を見てみたい気もします、怖いものみたさで。二度は入らなくていいでしょうけど。それに先日キタコーさんには嫌がらせをうけたばかりでした。
<回想シーン>
「この前アクセス解析見てたら、なんか怖い検索結果が出てたんですよ」
「嶽花さんってホントにアクセス解析好きなんですね」
「だってたまに、「虎眼 パンチラ」とかで検索してくる兵もいて面白いじゃないですか」
「で、どんな検索結果だったんです?」
「嶽花 アナル、だとか嶽花 乳首だとか、検索ワード見て身に危険を感じたのは初めてでしたよ」
「あー、それ、俺ですよ」
「は? アレってキタコーさんだったの?」
「この前、土曜出勤になってムカツくなー、って思って、会社でイライラしながら誰かに嫌がらせしてやろうと思って試しに検索してみたんですけど、たいていの言葉で検索にヒットしてくれましたよ」
「はぁ、そうですか」
「今度は嶽花 クスコーとかで検索しておきますよ」
「いえ、もうお腹いっぱいです」
</回想シーン>
あれから色々考えてたんですが、いい報復手段を思いつきませんでした。「キタコー アナル」とかで検索しても自分のサイトがヒットするだけで憂鬱な気分にしかなりません。
「じゃ、メイド喫茶に行ってみましょうか!」
俺が反対すると思ってたのか、かなり驚くキタコーさん。勘弁してくださいよーとか言い出してきました。
「これも一つの人生経験だと思って、行ってみましょうよ!」
こんな経験いらないとかモゴモゴ言うキタコーさんの意見を黙殺し、多数決という実に平和的かつ民主的な手段*1により、メイド喫茶に突入することになったのでした。
エレベーターの前で待ってると、帰り客とおぼしき人々が降りてきました。リュックサックを持参し、ビームサーベルみたいにポスターの筒が刺さってます。もちろん全員メガネ。これから自分が行くのがどういう場所なのかが想像できます。
「お帰りなさいませ、ご主人様」
そう言われて素でヒいてる時点で自分はここに来るべきじゃなかったんだな、と遅すぎる後悔の念をかみ締めつつキタコーさんを見てみると、魂が抜けたように無表情でした。あれをデジカメに撮影してなかったのが偲ばれますが、店内はメイドさんの撮影が禁止との事であらぬ疑いをかけられるのもどうかと思って諦めました。
そして席に着き、周りの独特な雰囲気に圧されました。我々はメイド喫茶に来たとばかり思ってたのですが、魔界に足を踏み入れていたようです。下を向いたままひたすらPDAを操作してる陰気な若者や、メイドさんにエロゲーテクニック?を教えて一人だけ得意げになってる脂ぎった若者だとか、居心地の悪さは想像以上でした。メイドさん見てるよりも周りの客を見てるほうが面白いです。
とりあえず来てしまったからには何か頼んで店を出るしかないな、とメニューを見てると、キタコーさんが嬉しそうに一つのメニューを指差しました。
「嶽花さん、コレ、コレいきましょう。ケチャップでオムレツで字を書いてもらうサービスがありますよ。メイドさんは写真不可だけど、オムレツは大丈夫だそうですし」
「え、なんて書いてもらうつもりなんですか。憂鬱? 薔薇?」
「そんな嫌がらせみたいな漢字じゃなくて、今日は嶽花さんにふさわしいグッズを持ってきてるじゃないですか」
「……Wii リモコン?」
「そう、プラチナ会員様じゃないと貰えないわけですから、ここはもう……」
「プラチナ会員様とケチャップで書いてもらうしか?」
無言でうなづくキタコーさんとクズ男さんの真剣な眼差しをみて、俺も無言でうなづくのでした。そしてメイドさんに「え、プラ……プラチなんですか?」とオロオロされてしまい、やはりやめておけばよかったと後悔するのでした。
そんなこんなでこんなん書いてもらいましたけど。
そしてそのあとゲーセンに行くと、すでにメイド喫茶に足を踏み入れたという情報があたりを駆け巡ってました。クズ男さんを見ると、目を逸らされました。そしてプラチナ会員様というリングネームでストIII大会に参加したり、大会が長引いて肝心のDS対戦がほとんど出来なかったり、キタコーさん持参のDSにささってたDSお料理ナビの伝言メモに「シンラくん、くうきよめていないよね」と記録されてるのを見て大分ストIII勢の絆の強さを感じたりしつつ、深夜に帰宅しました。
「ダーリン、遅かったね」
「なんかいろいろ遊んできたよ」
「ふーん。おなか空いたから、ポテチ買ってきてよ」
「えー、なんで帰ってきたばっかりなのに」
「ポテチ買ってきてよ、プラチナ会員様」
「えー」
「コーラも忘れずにね、プラチナ会員・さ・ま!」
「ええー」
「口答えするの?! プラチナ会員のくせに! いいから買ってきて!」
これ以上プラチナ会員という存在を汚されたくなかったのでイヤイヤながらも買ってきたんですが、なんでついでにスルメも買ってこないの気が利かないねまったくと怒られました。プラチナ会員の存在意義について考えるときがやってきたようです。
- 注1 : 愚衆政治とも言います。
コメント
コチラにははじめまして。スネヲです。
DSliteの時にはお世話になりまして(*^。^*)あの時ヨドバシいかねば、今でも旧DSのままだったでしょうw
上記のカフェ・・・よかちゃですね。
実は、我々、宵闇メンバーもよく入り浸っていますよw
「も」?