PR(記事内にアフィリエイト広告が含まれています)
スポンサーリンク
日記

ルックバック

ルックバック 日記

書籍情報

ルックバック – 藤本タツキ | 少年ジャンプ+(途中まで読めます)

このとてつもない作品の唯一の欠点は「こんな素晴らしい作品に俺たちは課金できないというのかぁっ?!」という点だと思ってたんですが、こうして単行本が発売されてよかったです。

自分の感想

本編も凄いんですけど、なにげに4コマが面白くて凄い。どっちか選べと言われたら、絵的には拙いのかもしれないけど、絶対に藤野の4コマになっちゃうんだよなぁ。漫画の面白さって、絵も重要な要素かもしれないんだけど、やはりストーリーとかその辺りとの融合だと思うんですよね。

とてつもない作品で感銘を受けたものの、世の漫画家さん達みたいな衝撃を受けた状況ではない、という辺りに自分は創作者の端くれですらなかったという事実を突きつけられた想い。

漫画家さん達みたいな衝撃を今のところは受けてはないものの、気がついたら目を細めて読んでいるのを自覚して、ようやく気づきました。自分が抱いたのは「まばゆさ」だったのだ、と。

あの二人が、創作の苦しみも楽しみも一緒に味わってる姿が、ほんとうに輝かしくすら思え、もはや親心に近い気持ちで見守ってたのかもしれない。それゆえに、そのあとの展開が前半とのコントラストと化しているんだけど、そこはまた違う心境になれて、一つの作品でいろいろな気持ちになれるのも改めて凄いと思います。

まばゆいといえば『ショートショートショートさん』の3巻は、まるっと一巻分つかってコミケに本を出すお話なんだけど、ほんともう創作の苦しみも喜びも描きつくされてて、昔のしんどかった体験を思い出して共感したり笑ったりした。あれに近い気持ちをルックバックでも感じたのかも。創作意欲とかだけじゃなく、承認欲求に対する表現がインパクト強くて、他でみたことがないものので一読を推奨しておきます。面白いよ!

そんな事を思いつつ再読してたら、大学生時代に二日徹夜して小説書いたり、どうすれば面白くなるか考えすぎて吐きそうになったり、というアマチュアながらにも産みの苦しみを散々味わったなぁ、という心境を思い出してしまった。漫画じゃなくても、何らかの創作に関わるという点で、琴線に触れるものなのかもしれません。

とはいえ、いまは15年かけてアイデア出しをしてるようなもので、実際に書き始めるとルックバックの登場人物みたいに色々苦しんだり楽しんだりするんだろうな、という気もしてきました。今はまだ生むための準備しかしていないのだから、生む苦しみを実感できなくても仕方ないのかもしれない。

とはいえ今は自分がやろうとしているものを、ただひたすら、足掻いて書き上げたい。死ぬ前に形にしたい。それを誰かに読んでもらいたい。ただ、それだけ。

結局のところ自分も、創作という名の呪いにかかっているのだなぁ、と再認識した次第です。

他の方の感想

他の方の考察

セリフの再修正について

ジャンプ+で何度も読みなおしていたので、とあるセリフが変わった時はすぐ気づきました。ああ、一部の”声が大きな人”が悪目立ちした結果なのだろうなぁ、と。表現の自由と配慮については色々議論が必要と思いますが、今回のジャンプ+版での修正は作品のテーマと噛み合わなくなる、と個人的に感じました。

その時の印象が強く残ってたので、コミックス版を読んで「あれ、例のセリフが元に戻ってる?」と思ったら、なんとコミックス版発売にあわせて再修正されたようですね。

一番最初はこうだった。

「オイ ほらア!! ちげーよ!! 俺のだろ!? 元々オレのをパクったんだっただろ!?

ほらな!! お前じゃん やっぱなあ!?」

その後、ジャンプ+で変更されたときは、こうなった。

「オイ 見下しっ 見下しやがって! 絵描いて 馬鹿じゃねえのかああ!?

社会の役に立てねえクセしてさああ!?」

そして単行本では、つまり最終的にはこの形になっている。

「オイ 見下しっ 見下しやがって! 俺のアイデアだったのに!

パクってんじゃ ねえええええ」

※引用元:話題の藤本タツキの漫画『ルックバック』単行本が発売 再び変更されたセリフの先に示された姿とは(堀井憲一郎) – 個人 – Yahoo!ニュース

おそらくは修正後の内容にも、世間で並々ならぬ反応があったのでしょう。

よい落としどころに収まったようで何よりです。

まとめ

普通に読んでも面白いし、考察をしようと思えばさらに楽しめるし、だからといって考察をしないと楽しめないということもなく、間口は広くて底は見えない、そんな作品だと思いました。

これだけたくさんの人の心に刺さってるのにピンと来なかった、という人ももちろんおられるとは思います。いろいろな価値観・考え方・経験があっての人間ですから、思考や嗜好に差異が出るのは当然でしょう(むしろ全人類が同じように感じる作品があれば、それはそれでおぞましいです)。とある音楽映画が世間で絶賛されてたのに、自分的にはピンと来なかったという経験があるので、あのときの感情を抱いてる人も居るんだろうな、と。

そういう事を考えつつ、他の人がどう思うかを知りたくて、終わりの見えないネットサーフィンを今日もまた続けるのです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました