書籍情報
ルックバック – 藤本タツキ | 少年ジャンプ+(途中まで読めます)
このとてつもない作品の唯一の欠点は「こんな素晴らしい作品に俺たちは課金できないというのかぁっ?!」という点だと思ってたんですが、こうして単行本が発売されてよかったです。
普段は電子書籍なんだけど、ルックバックだけは敢えて紙書籍にした。 pic.twitter.com/8PTaDHV8Na
— 嶽花 征樹 (@takehana_masaki) September 4, 2021
自分の感想
本編も凄いんですけど、なにげに4コマが面白くて凄い。どっちか選べと言われたら、絵的には拙いのかもしれないけど、絶対に藤野の4コマになっちゃうんだよなぁ。漫画の面白さって、絵も重要な要素かもしれないんだけど、やはりストーリーとかその辺りとの融合だと思うんですよね。
とてつもない作品で感銘を受けたものの、世の漫画家さん達みたいな衝撃を受けた状況ではない、という辺りに自分は創作者の端くれですらなかったという事実を突きつけられた想い。
タツキ先生読み切りのルックバック、内容凄かったけどアレ創作というか作家系の人ほど衝撃を受けるみたいで、みんな兄上になってる pic.twitter.com/Qne00kM7Ig
— ヘチマ味 (@Hetimaaji) July 19, 2021
漫画家さん達みたいな衝撃を今のところは受けてはないものの、気がついたら目を細めて読んでいるのを自覚して、ようやく気づきました。自分が抱いたのは「まばゆさ」だったのだ、と。
あの二人が、創作の苦しみも楽しみも一緒に味わってる姿が、ほんとうに輝かしくすら思え、もはや親心に近い気持ちで見守ってたのかもしれない。それゆえに、そのあとの展開が前半とのコントラストと化しているんだけど、そこはまた違う心境になれて、一つの作品でいろいろな気持ちになれるのも改めて凄いと思います。
まばゆいといえば『ショートショートショートさん』の3巻は、まるっと一巻分つかってコミケに本を出すお話なんだけど、ほんともう創作の苦しみも喜びも描きつくされてて、昔のしんどかった体験を思い出して共感したり笑ったりした。あれに近い気持ちをルックバックでも感じたのかも。創作意欲とかだけじゃなく、承認欲求に対する表現がインパクト強くて、他でみたことがないものので一読を推奨しておきます。面白いよ!
そんな事を思いつつ再読してたら、大学生時代に二日徹夜して小説書いたり、どうすれば面白くなるか考えすぎて吐きそうになったり、というアマチュアながらにも産みの苦しみを散々味わったなぁ、という心境を思い出してしまった。漫画じゃなくても、何らかの創作に関わるという点で、琴線に触れるものなのかもしれません。
とはいえ、いまは15年かけてアイデア出しをしてるようなもので、実際に書き始めるとルックバックの登場人物みたいに色々苦しんだり楽しんだりするんだろうな、という気もしてきました。今はまだ生むための準備しかしていないのだから、生む苦しみを実感できなくても仕方ないのかもしれない。
とはいえ今は自分がやろうとしているものを、ただひたすら、足掻いて書き上げたい。死ぬ前に形にしたい。それを誰かに読んでもらいたい。ただ、それだけ。
結局のところ自分も、創作という名の呪いにかかっているのだなぁ、と再認識した次第です。
他の方の感想
僕が一番好きなルックバックの感想です。 pic.twitter.com/mqev8riDlY
— 慎ちゃん@居酒屋淳二料理長&オンライン担当 (@rsrizakayajunji) July 19, 2021
ルックバック、一番好きなページここです
最上の喜びに言葉はいらない pic.twitter.com/bU4uTafP4t— 天茶 (@sakekureman) July 19, 2021
ルックバック、面白かったし台詞の無い「間」のシーンの挿し込み方とかもすごく好きだったんだけど、自分自身に学が無い故に他の人の考察を交えた称賛の嵐には頭が追い付かなくてこれになってる pic.twitter.com/pcGMfapNh7
— ユウイチ (@anibakajoto) July 18, 2021
ルックバックについて、京アニ放火が〜とか色々言われてる?考察?されてるけど、それを思うのは読み手個人の自由だし、その感じ方の違いにこの漫画の面白さってあると思う。だけどそれを注意書きすべき、とか京アニの事である事を前提に話を進めるのは違うと思う。それこそ個人で思ってろよってなる。
— re17 (@mrmrmr017) July 19, 2021
ルックバックを読んですぐ「百合だあ〜!」って元気になる人種、無人島で遭難した時に最後まで生き残るのはこういう奴らですよ
— ピエ郎🤡Vtuber (@PielowVT) July 19, 2021
他の方の考察
考察 直接的な表現は避けています
①ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのオマージュ
②藤野×京本 7月19日(名前と日付)
③ルックバック(過去の回想、直訳で背中を見る)
④漫画の初めと終わりを繋げるとDon't In Anger(don't look back in anger という有名な曲より)— むめい (@Whatsyour_name1) July 18, 2021
これはルックバックのネタバレご感想なので必ずルックバック自体を読んでから読んでください pic.twitter.com/rPXSSiZhxs
— 🔥すっかけ🔥創作論破 (@kakesuDR) July 19, 2021
「藤本タツキ先生の読み切り「ルックバック」タイトルの意味やオマージュの考察」https://t.co/BqKmxwH943
が伸びてるみたい。こっそりあなたに教えちゃう。 作成者:@egmvd— Togetter公式🐤人気のツイートまとめを紹介🐤 (@togetter_jp) July 19, 2021
セリフの再修正について
ジャンプ+で何度も読みなおしていたので、とあるセリフが変わった時はすぐ気づきました。ああ、一部の”声が大きな人”が悪目立ちした結果なのだろうなぁ、と。表現の自由と配慮については色々議論が必要と思いますが、今回のジャンプ+版での修正は作品のテーマと噛み合わなくなる、と個人的に感じました。
その時の印象が強く残ってたので、コミックス版を読んで「あれ、例のセリフが元に戻ってる?」と思ったら、なんとコミックス版発売にあわせて再修正されたようですね。
藤本タツキ著『ルックバック』については、発表後、8月2日に内容を一部修正いたしましたが、9月3日発売のコミックスにおいて、著者の意向を受けて協議のうえ、セリフ表現を変更している部分がございます。
ご理解いただきますよう、お願い申し上げます。
少年ジャンプ+編集部
— 少年ジャンプ+ (@shonenjump_plus) August 27, 2021
一番最初はこうだった。
「オイ ほらア!! ちげーよ!! 俺のだろ!? 元々オレのをパクったんだっただろ!?
ほらな!! お前じゃん やっぱなあ!?」
その後、ジャンプ+で変更されたときは、こうなった。
「オイ 見下しっ 見下しやがって! 絵描いて 馬鹿じゃねえのかああ!?
社会の役に立てねえクセしてさああ!?」
そして単行本では、つまり最終的にはこの形になっている。
「オイ 見下しっ 見下しやがって! 俺のアイデアだったのに!
パクってんじゃ ねえええええ」
※引用元:話題の藤本タツキの漫画『ルックバック』単行本が発売 再び変更されたセリフの先に示された姿とは(堀井憲一郎) – 個人 – Yahoo!ニュース
単行本の『ルックバック』オリジナルに近いやつに戻ってる!
他にの所も修正されてるし、タツキ先生信じて単行本買ってよかった〜 pic.twitter.com/F1NLdCbxN0— 社畜のよーだ (@no_shachiku_no) September 2, 2021
おそらくは修正後の内容にも、世間で並々ならぬ反応があったのでしょう。
よい落としどころに収まったようで何よりです。
まとめ
普通に読んでも面白いし、考察をしようと思えばさらに楽しめるし、だからといって考察をしないと楽しめないということもなく、間口は広くて底は見えない、そんな作品だと思いました。
ルックバックを読んだ人の感想が、考察したり自分語りしたり似てる作品を持ち出したり何も言えなかったりで多種多様な辺り、人間の水見式として使える
— ゴミクズバル使い@27 (@4eajt) July 19, 2021
これだけたくさんの人の心に刺さってるのにピンと来なかった、という人ももちろんおられるとは思います。いろいろな価値観・考え方・経験があっての人間ですから、思考や嗜好に差異が出るのは当然でしょう(むしろ全人類が同じように感じる作品があれば、それはそれでおぞましいです)。とある音楽映画が世間で絶賛されてたのに、自分的にはピンと来なかったという経験があるので、あのときの感情を抱いてる人も居るんだろうな、と。
そういう事を考えつつ、他の人がどう思うかを知りたくて、終わりの見えないネットサーフィンを今日もまた続けるのです。
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