随想

私の家には新聞勧誘が来ない

恥ずかしながら、私は今まで新聞を定期購読したことがない。

実家にいた頃はシミュレーションゲームのターン待ちの時間を潰す為、テレビ欄以外をもしらみつぶしに読んだりしたものだったのだが。

今までは購入しても読む時間が無いし、テレビ欄しか見ないのならテレビガイドを買った方が安上がりだ……と言うよりも、私はテレビはコンシューマーゲームのモニターとしか認識していない輩なので、買う意味が見出せなかった。

しかし最近は幸か不幸か時間にゆとりができてしまった(他のゆとりがどうなったかは不問だ)ので、ようやく新聞と向き合う生活が取り戻せそうである。

こういう状況になって、大学生時代にどうしても読みたい新聞があったのを思い出した。

科学新聞。

鹿児島大学の図書館には置いていなかったようだ。

当時はネット上で閲覧という行動を考えてもいなかったが、今ならこのとおり。

科学新聞に拘らなくても色々な道しるべがWEB上で簡単に見つけられるし、かつては存在さえ疑ったその存在をほのめかしている表記さえ見かけた。

今はネットで検索すれば、かなりの量のテキストにお目にかかれる時代だ。

しかし私は紙のテキストがいとおしい。紙を手で一枚ずつめくっていく、あの感覚。

だから私は待っている、科学新聞の勧誘を。

「今なら試験管を十本お付けしますよ?」

なんて言ってくれたらたまらないだろうが、そこまで望んではいない。

だと言うのに私の家には新聞勧誘が来ない。